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「私のお気に入り」
<旅>


「ここで何をしているんだね?」
 2005年3月13日夜、沖縄の名護市中央公園の障害者用トイレにて、警官に言われた一言である。
春休みを利用して、友人と自転車で沖縄一周をしている時の事だ。
その日は沖縄でもまれに見る寒さで、私たちは寝床を探しもとめ、公園のベンチに着いた。

「さ、寒すぎる…」
寝袋を広げてから5分ほどで、寒さに耐えられなくなった。
「あの場所はどうだ?」
友人が指差したのは、ベンチ脇にあるトイレ。確かに風は防げるし、暖かい。
人としてその行動はいかがなものかと、3分悩んで決断した。
「そこにしよう」
人は、寒さの前では無力なのだと知った。
無機質な明かりがともるトイレで、私たちは無言で寝袋を広げた。
この時温まるために飲んだ缶コーヒーの味は、悲しさと、安心感が交じり合っていた。
「今日はなかったことにしよう」
そう決めて、早々と寝袋にくるまった。
だが、寝られない。不安と悲しみに包まれ、床のタイルが痛かった。
まどろみの中、突然ドアの外で話し声が聞こえた。
「おーい」
ノックの音が響き渡る。ドアの向こうには、警官が3人たたずんでいた。
「東京から来たのか?」「はい…」
ジャージ姿のままで、質問に答える。
このまま警察署に連れてかれるのだろうか。
沖縄まで来て何をしているのだろう。お母さん、ごめんなさい。
様々な思いが、頭をめぐる。
だが、警官の口から出た言葉は、思いもよらぬものだった。

「今夜は冷えるけど、朝早くにここを出発しなよ」「気をつけて、旅を続けてね」
引き上げる警官をよそに、私はその場に立ち続けていた。
「東京じゃありえないね」
友人がぼそりとつぶやいた。まさに、その通りだ。
鍵をしめ、寝袋に戻る。寒さが少し、和らいだ気がした。

自転車での旅は、きつくて、何度も帰りたいという気持ちに駆られた。
無事に終わらせることが出来たのは、思いがけないものに出会える、
その醍醐味を知ってしまったからだ。これだから旅は、やめられない。



Yナリ先輩の助言を受けて、トイレ事件を作文にしてみました。

なるべく具体的に!そして自分らしさって何だろうと考えてみると、
マジメに、シュールに。かなと(;・∀・)

お題は「私のお気に入り」なんですが、おそらく大丈夫でしょう。
なるほど、ネタがあればお題はあまり問題ではない。
その意味が少しわかりかけてきました。
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