IEEE1394
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オキナワサイクルダイアリーズ
---中篇その2
トイレの外に止めてあった2台の自転車を、
不振に思った警察官が、僕らのトイレもとい
寝床に入ってきたのだ。

「…何してるんだね?」

すぐさま寝床から飛び出し、警察官に事情を
説明した。俗に言う、いわゆるひとつの事情聴取を
沖縄でされてしまったのだ。

つかれきった僕らの顔色を伺ってか、それとも
ボロボロの若者を哀れに感じたからなのかは
わからないが、朝早くに出て行くことを条件に
その場所で寝ることを許可してくれたのだ。

本気で、思いもよらない所で体験した事情聴取と
人のあたたかさ。これをいい経験だと思うか、
最低な恥だと思うかは、今の僕にはまだ判断しかねる
問題であった。しかし、警察官が立ち去った後、
僕らの意見は見事に一致した。

「今日という日は、なかったことにしよう」。

肉体も精神も疲弊しきった僕らには、この現実と
向き合うことは厳しすぎた。何か他の理由をつけなければ、
誰かに頼らなければならないほどに、どうしようもない
二人だったのだ。

嵐が過ぎ去り、2本目の煙草を吸い終えた僕らが再び寝ようと
すると、遠くから聞こえる会話。息をひそめて通り過ぎるのを待つ。
どうやらカップルがいるらしく、彼女の方が隣の女子トイレに
入っていくのを、音で感じた。

異変に気がついたのは、その直後だった。

二つの足音と、二つの話し声が寝室のドアの前で止まったのだ。
「まさか…」と思い、息を止めた次の瞬間、かすかに鼻腔をくすぐる
酒のニオイ。酔っ払った(バ)カップルの女が、トイレに行きたいが怖い、
それなら男子トイレにある広いトイレで済ませろ、待っててやるから
という会話が一枚の板を挟んだ向こう側で聞こえ、会話が途切れた瞬間、
運命の扉もといトイレの扉が開かれた。

「ひっ…人がいるっ…!!」
悲鳴にも似た声が、僕らと(バ)カップル以外誰もいない名護市中央公園
そばの男子トイレにこだました。
「そんなバカな…。」
彼女が軽いジョーダンを言ったのだと思ったのだろう。軽い返事をする彼氏の
声が、僕らの姿を見た途端、その場の空気を凍らせる重い言葉へと変化した。
「ジョーダンだろ…。」
冗談ではない、本気だ。そうつぶやくと彼氏はゆっくりと寝室の扉を閉めた。

沖縄のカップルがそこで見たのは、悪酔いをしたせいで見た、幽霊なのだろうか。
いや、そうではない。彼らがそこで見たのは、東京の大学に通う2人の大学生である。
とてつもない確立で出会った僕らとカップル。彼らはもう二度と、夜の
障害者用トイレに足を踏み入れることはないだろう。

2つ目の嵐が過ぎ去り、僕らはようやく寝床へとついた。
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